当社の取り組み
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CFRPのX線透過性を活かしたCTベッド天板やマンモグラフィー固定テーブルなどのレントゲン機器は、異物が混入すると異物の材質によってはX線の透過を阻害し、正確な診断に影響を与える恐れがあります。
当社は航空宇宙機器の製造のために社内にクラス10万のクリーンルームを4つ所有しています。この社内設備を活用し、レントゲン機器の製品を清浄な環境下で製造することで有害な異物混入を防止しています。
また、CTベッド天板は荷重時よるたわみも正確な診断に影響します。剛性設計は当社が得意とする技術で、炭素繊維の選定、配向を最適化することができます。正確な診断のために、当社の技術蓄積と充実した製造設備を是非ご利用下さい。
医療機器で活用するCFRP
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主に医療機器にCFRPを適用するメリットとしては軽量、高剛性、X線の透過性となります。具体的にはCT天板などに使用されており、CFRPの一方向材(UD)プリプレグを表面のスキン材として、構造体の内部はアクリルのフォーム材を接着剤などでサンドイッチ構造となっています。
CT天板に求められる要求事項としては、透過範囲に金属片等の異物が無い事や、寝台で人体が積荷時に天板が撓む事で計測に影響する事から剛性の高い天板が有効とされています。それらの要求に対してプリプレグの積層時の品質管理や使用するプリプレグの選定及び繊維配向、フォーム材との接着プロセス等を確立するなどして製品化しています。
介護機器で活用するCFRP
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介護機器に関しては車椅子や携帯用スロープ等、CFRP化する事により操作性が向上となり利用者の負荷軽減に効果的と言えます。車椅子用の携帯式スロープや必要な時に設置するスロープ等にもCFRP及びGFRPが適用されており、強度剛性が高く軽量と言う点では高齢者でも容易に取り扱えるメリットがあります。
最近では競技用の車椅子も開発が進んでおり、その競技に合わせた適切なCFRPの使用によって従来の車椅子から競技用としての性能向上を目指しています。競技用義足については既にパラリンピックでもCFRP製が使用されています。圧倒的な軽さとCFRPの剛性と反発性を生かした開発は現在も各社で行われています。競技用となると工業製品とは異なり競技の種目や競技者によって同じ物が適切とは言えません。そのような状況に適合する設計が出来るのがCFRPの自由度となっています。
当社でもそのようなご要望に対して、適切な設計から製造しフィードバックを得る事で更なる性能向上を図る開発を行う事ができます。
医療・介護機器関連製品に関するご相談
医療・介護機器製品の部品・部材をFRP(CFRP/GFRP)への置き換えなどに関するご相談を承っております。